借地権の売却と地主


家地価が高いことで知られている東京や大阪など主要な都市圏には、数多くの借地が存在しています。旧法と新法の規定による借地権が現在でも混在しており、借地契約では、契約期間が50年以上に及ぶものもあります。親の代からの契約であり、何十年もその土地の上に建つマイホームで暮らしを続けていると、あたかも土地までが自分の所有物であるかのような感覚になってしまうことがありますが、あくまでも地主から借りている土地であり、さまざまなトラブルが生じる可能性があるということを理解しておかなければなりません。借地権や借地上の建物を第三者に売却する際には、土地所有者である地主の承諾を得る必要があります。

第三者に売却する場合に地主から得る承諾を「譲渡承諾」といい、そのほか、借地上にある建物を建て替える際にも「建替承諾」または「条件変更承諾」といわれる承諾を得る必要があります。長年経過しているからといって自分の所有物のような感覚で、勝手に第三者に売却したり、建替えをしたりすると借地契約の解除事由にあたり、借地権が消滅することになるので注意が必要となります。借地上にある建物に居住する者が誰もいなくなる、借地権を相続したものの、遠く離れた土地に既にマイホームを建てており、今後、借地を活用する予定がないなどの理由で、借地を売却する際には、さまざまなことに注意する必要があります。地主に承諾を得ることができない場合には、裁判所に承諾に代わる許可を求めて借地非訟を申し立てることとなりますが、専門的な知識がないと手続きや進め方がよくわからないことでしょう。